小熊昭広 koguma akihiro


 

●著者略歴

詩誌『回生』(http://www.poetic/kaisei)同人
個人誌『喉』(http://nodo.no-blog.jp/blog/)発行人
詩集『亀の助さん』(一九八九年、快晴出版)、詩集『鳥の巣』(一九九九年。快晴出版) 
Twitter : @tannin 
FaceBook : http://www.facebook.com/akihiro.koguma

 

●『オマージュ』あとがきより

この詩集は、自分の三冊目の詩集です。十年に一冊ずつ出そうと考えていましたが、前作の発行から十二年が経ちました。この間、幾らかの作品を書いてきましたが、この詩集には、それら十二年間に書いた作品は収めておりません。  この詩集の作品は、東日本大震災が起きた後、平成二十三年七月一日から九月三十日の間に書いたものです。自分は、宮城に住んでいますが、震災では一時期、職場から自宅に帰れなくなったくらいで、大きな被害は被りませんでした。もちろん、家族も怪我を負うことはありませんでした。その意味では、当事者ではなく傍観者として過ごしてきました。  この詩集は、直接、震災とは関係ありません。しかし、どこかで自分の心に重くのしかかっているものがあります。その重くのしかかった暗雲のようなものが、言葉を発することで、少しずつ明るくなってきたと自分では思っています。  毎日、番号だけを付けて書いてきた言葉の塊に、名付ける作業を行ったことで、言葉の一つひとつの塊が、少しは詩のようなものになっていてくれれば嬉しいことです。先に言葉の塊がありましたので、詩の題名は小さく扱いました。この言葉の塊から、なにか感じるものがあれば嬉しく思います。  最後に、詩集発行を快く引き受けてくれ、色々とアドバイスをしていただいた洪水企画の池田康氏及び表紙絵を描いていただいた河野達典氏に感謝します。そして、この詩集を、東日本大震災で亡くなった多くの方へ捧げます。