三尾みつ子 mio mitsuko


 

●著者略歴

1943年 旧満州生まれ
1996年 第一詩集『蘭』
所属 詩誌「加里」

 

●『花式図』あとがきより

第一詩集『蘭』を出版してから、二十一年ぶりの詩集である。
「詩」と共に、「コーラス」を長く続けてきた。私にとって、この二つが、気持ちの上でも、時間的にも、侮れない容積を占めている。
この第二詩集を編むにあたり、改めて、「詩」と「コーラス」について考えてみた。
詩を書く作業は最初から終わりまで孤独であり、良くも悪くも作者個人の問題である。コーラスは、大方の場合楽譜があり、指導者の指揮に拠るところ大きい。言葉に音が付き、リズムが付くと、言葉は生き生きとして立ち上がり、人間のこころを揺さぶる事も出来る。
「詩は個人プレーで、コーラスはチームプレーだ」と言った人がいる。
私の中で上手くバランスが保たれているようだ。「詩」と「コーラス」のおかげで、言葉に対する意識を常に持てたと思う。